塗装の色の標準見本帳について

南相馬市の塗装屋(有)原町美装の菅野です。まだまだ寒い日が続きますね・・はやく、暖かくなって欲しいものです。

ところで、皆様は左の写真の様な「色見本帳」をご覧になった事がありますか?これは、日本塗料工業会(通称、日塗工)という所が2年毎に発行している色見本帳です。いわゆる、塗料用の標準色の見本。

お客様に色を決めて頂く時に活用したり、塗料を調色する時に活用したりもします。当社が利用している「カラーシュミレーション」でも、この日塗工標準色でシュミレーションを行います。

本日は、この色図見本帳について、お話したいと思います。

それでは、色見本帳の中をのぞいてみましょう。

中を開きますと、1ページ毎に似たような色が次々と並んでいます。そして、色の下には、アルファベットと数字が書いてあります。

例えば、左の写真。一番下の色には「F09-70T」と書いてありますね。この番号は、もちろん色の番号なのですが、ちゃんと意味があります。

「 F 09 -  70 T 」 を例にすると・・・ 

「‘発行年度’‘色相番号’ - ‘明度’‘彩度’」となっているのです。

具体的に見ていきましょう!

 ‘F’ は発行年度。日塗工標準色見本帳は2年に一度発行されているので、F(2011年)・E(2009年)・D(2007年)・・・・というように、2年毎にアルファベット順になっています。

 ‘09’ は、色相番号。有彩色は2ケタの数字、白と黒の無彩色はNとなっています。

  N は、無彩色を意味するニュートラル(Neutral)の略です。有彩色の数字は、 

02,05,07,08,09 → R(赤) 12,15,17,19 →YR(黄赤) 22,25,27,29 →Y(黄)

32,35,37,39 →YG(黄緑) 42,45,47,49 →G(緑) 52,55,57,59 →BG(青緑)

62,65,67,69 →B(青) 72,75,76,77,79 →PB(青紫) 82,85,87,89 →P(紫) 92,95,97,99 →RP(赤紫)                            

 ちなみに、この色相番号は、マンセル色相というものを参考にしています。上の写真の図、見たことのある方もいるのではないでしょうか?マンセルという人が考案して世界的に採用されている色表系です。

戻りましょう。

 ‘70’は明度。2ケタの数字で表されます。数字が大きいほど白に近く、数字が小さいほど黒に近くなります。

明度について、 左の見本で見てみましょう。「FN-95」から「FN―87」までが載っていますね。Fは年度,白の無彩色ですのでN,そして2ケタの数字が明度です。数字の大きい95の方が白に近く、数字の小さい87の方に近付くにつれて黒に近くなるのが分かると思います。

 最後に、‘T’は彩度。彩度ですので、無彩色には書かれていません。有彩色にはアルファベット一文字で表されます。

A・B・C・D・F・H・L・P・T・V・W・Xの順に表され、Aに近い方が彩度が鈍く、Xに近い方が鮮やかになります。

「F09-70T」の写真で見てみましょう。「F09-70T」とひとつ上の「F09-70H」を比べてみると、「T」の色の方が「H」の色に比べて鮮やかなのが見て分かると思います。

最後に補足です。最初のアルファベットは年度ですので、最初のアルファベットが違っていても後が同じであれば基本的に同一色になります(ただし、1995年度版以降のもの。1995年版以前は、番号体系が違っていた。)また年度が変わると、削除される色や、新色が出たりします。

以上、日塗工の色票番号について簡単にご説明しました。

私たちが注文する塗料は、塗料メーカー毎に独自に色番号を作っていることも多いですが、この日塗工の色番号は、標準となる大切な番号になります。標準色番号だけで、すべての塗料関係者に正確に色を伝えることができるのです。

番号の意味が分かると、色見本を見るのも楽しくなりますね!ちなみに、この見本帳は日塗工のHP上でも購入することが出来るようです。もちろん(有)原町美装にもございますので、お気軽にお声をかけて下さい。また、カラーシュミレーションのご相談も随時承っております。

以上、色見本帳についてお伝えしました。

 

 




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